センター長挨拶

健診・検診

健診(癌検診の場合は、健診ではなく、検診という字をあてます)は一般の病院受診と異なる面があります。
一般の受診は、通常、何らかの症状や所見があり、その症状や所見と関係のありそうな科を選択して受診、その症状や所見に関係する検査を受けます。
一方、健診(検診)は、症状も所見も無い方が、一般的な検査を受けます。症状や所見が無くとも、将来死亡原因となる可能性があるために早期の検査治療が必要な病気、①高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などの生活習慣病や慢性肝炎などの内科的慢性疾患(多くの病気が、日本人の死因の第2位の心疾患や第4位の脳血管疾患と相関があります。また、一部の病気は、死因第1位の癌とも相関があります。)、②癌などの悪性疾患、この二つを発見ないし評価する事が健診(検診)の一番の目的です。
実際は、重症の生活習慣病や癌などの患者さんはそれほど多くないので、大半の方では、まずまず健康である事を確認する機会となります。

また、それほど生命予後に関係しなくても、QOL(生活の質)を下げる可能性のある病気(例えば貧血、内分泌疾患)についても、典型例であれば、ある程度の評価推測は可能です。
ただ、全ての科の全ての病気について健診(検診)で診断評価したり診療の相談をすることはできません(明らかに疑わしい症状所見がある場合に当該科への受診をすすめることができる場合はありますが)。
最後に、基本的なことですが、健診・検診をうけるだけで健康になり、寿命が延びるということはありません。必要な追加の精密検査や治療を受けたり、生活習慣を改善することが最重要ですが、なかなか達成できていないのが実状です。

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健康管理センター長
溝口 哲

健診・検診を受ける際の注意点

実際に健診・検診を受ける場合の一番の問題点は、どこで(どの医療機関で)、どういう内容の健診・検診を受けるかという事です。
病気ないし病気疑いでない人の検査は健康保険の対象とされないため、健診・検診の費用は自己負担となりますが、勤務先や自治体などから様々な費用の補助があります。健診・検診の費用補助は、自営業、会社員、公務員などで異なりますし、各会社、各職業組合、各役所で異なります。また、本人か配偶者か家族かでも、また、受ける人の年齢でも、住民票のある自治体毎でも異なります。費用補助額や補助対象となる検査項目だけでなく、費用補助の対象となる医療機関もそれぞれの所属で異なります。一般に各自治体が発行するがん検診や特定健診の診療券や補助券はその自治体で行う健診・検診会場やその自治体内の指定の医療機関でないと使えません。
更に、採血での腫瘍マーカーなど、補助の対象外の検査を希望される場合には、自費負担となりますので、健診・検診の希望項目をまず決める必要があります。
なお、内科外科の病気で通院している方で、通院先で定期的に様々な検査を受けている場合には、わざわざ健診・検診を受ける必要は無いことが多いと思います。また、高齢者の健診・検診の意義はほとんど確認されていないので、全く医療機関にかかったことが無い方で、検査を希望される場合には、考えてもよいかもしれませんとしか言えません。