泌尿器科の入院ですが、健康診断などで前立腺癌を疑われて、針生検を受けられる患者さんが最も多くなっています。基本的に1泊2日の検査入院となっています。検査結果の説明や治療方針の相談は外来で行います。次に、経尿道的手術膀胱腫瘍切除術（TUR-Bt）目的、経尿道的尿路結石除去術等の尿路疾患系の手術目的の入院が多くなっている傾向にあります。4、5番目に多いのが、末期腎不全に対し透析導入目的の入院となっています。上記の疾患としては、膀胱癌、尿路結石、前立腺癌、末期腎不全（透析導入）といった泌尿器科疾患の主たる疾患が上位を占めています。今後しばらくは高齢者人口の増加が続くため、泌尿器癌を中心とした疾患、また、前立腺肥大症等の排尿障害に関連する疾患の手術、検査の入院が多くなる傾向が続くと思われます。

当科は耳、鼻、咽頭・喉頭（のど）、頚部（くび）全般の外科的・内科的診療を行っており、耳鼻咽喉科としては県南地域で唯一の入院診療が可能な施設でもあります。内視鏡を用いた副鼻腔炎手術、扁桃腺の手術、声帯ポリープ摘出手術や鼓膜の穴を塞ぐ中耳炎手術などの手術治療と、内科的治療では顔面神経麻痺や突発性難聴などに対しての点滴治療に加え、咽頭・喉頭癌に対する抗がん剤を用いた治療も行うことができます。また、悪性リンパ腫疑いに対し精査目的にてリンパ節摘出術も行っております。当科では、耳鼻咽喉科領域での病気を地域で完結できるよう心懸けています。

当院外科の手術件数では腹腔鏡下胆嚢摘出術が最も多くなっています。胆石、胆嚢炎に対してはほぼ全例に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行しています。急性胆嚢炎症例に対しては、積極的に早期腹腔鏡下手術（4日以内）を行っており、平均術後入院日数の短縮、合併症率の減少に寄与しています。鼠径ヘルニアに対しても積極的に腹腔鏡下術を導入しており、手術件数も増加してきています。鼠径ヘルニア手術の場合には手術当日入院が多く、入院期間の短縮に努めています。大腸癌に対しては、積極的に腹腔鏡下手術を導入しています。化学療法の患者様に対し、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置も行っております。腸閉塞に対しては腹腔鏡下腸管癒着剥離術も行っております。外科では上記手術以外にも、直腸癌、胃癌、肝癌、乳癌、虫垂炎に対しても手術を行っており、特に大腸・直腸癌に対しては積極的に腹腔鏡下手術を導入しています。

整形外科で最も多い手術は、大腿骨頸部骨折に対して行う骨折観血的術で、こちらの手術は骨折部位の骨接合を行う手術となっております。2番目に、大腿骨頸部骨折にて骨折観血的手術では整復・固定が困難な場合に、大腿骨の骨頭を取り出し人工骨頭(金属製人工物) に入れ替える手術療法の人工骨頭挿入術となっています。3番目に、前腕に対して行う骨折観血的術で、こちらの手術は骨折部位の骨接合を行う手術となっております。4番目に、手根管症候群に対する手根管開放術で拇指から環指までの手のひらの痛みや、しびれ改善のための手関節での手術となっております。5番目に、糖尿病性壊疽や四肢の動脈閉塞症に対して行う、四肢切断術となっております。その他にも、変形性股関節症や変形性膝関節症に対する人工関節置換術も行っております。当院では、地域性も含め高齢者が多く、術後日数が長くなる傾向にあります。