最も多い症例は、循環器内科での狭心症に対してもしくは術前検査としての心臓カテーテル検査入院です。カテーテル検査入院は、基本的に１泊２日入院でおこなっており、短期入院での検査が可能です。カテーテル治療はその次に多く、２泊３日入院での治療が可能です。
３番目に多いのが、心不全に対する加療入院です。心不全に対する治療の進歩により、心不全の生命予後が伸びたため、患者の平均年齢も高齢となっています。当院では、急性期治療はもちろんのこと、心臓リハビリテーションを行い、自宅や施設への退院までトータルサポートを目指しています。

当院外科では診断群別患者数は、鼠径ヘルニア（腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術）、大腸ポリープ（内視鏡的ポリープ切除）、胆嚢疾患（腹腔鏡下胆嚢摘出術）の順になっています。
鼠径ヘルニアでは、ほとんどの患者さんに腹腔鏡下手術を施行しています。手術当日の入院が多く、クリニカルパスの導入により術後は5-6日での退院がほとんどです。
大腸内視鏡検査時に切除が必要なポリープが見つかった場合には、同時に内視鏡的ポリープ切除を行っています。当科では万が一の出合併症（出血など）に備え、1泊入院をしていただいております。
胆嚢疾患（胆石、胆嚢炎など）に対してはほぼ全例に腹腔鏡下手術を施行しています。待機手術では手術当日の入院が多く、クリニカルパスの導入により術後6-7日で退院となっています。急性胆嚢炎に対しては積極的に早期手術（4日以内）を行っており、患者さんの身体的負担の軽減、合併症率の低下や入院期間の短縮に努めています。
上記患者さん以外にも、大腸・直腸、胃、肝臓などの消化器癌に対する手術や術後の抗癌剤治療を受ける患者さんも多く受け入れております。

　整形外科では、胸椎圧迫骨折や腰椎圧迫骨折で入院される患者さんが最も多くなっています。平均年齢をみると80歳前後の高齢の患者さんが多く、自宅での生活を目標にリハビリ治療を行っております。
2番目に手術が必要な骨折や怪我による入院患者さんが多く、大腿骨の骨折が最も多くなっています。大腿骨の骨折は高齢の患者さんが転倒などで受傷することが多く、術後のリハビリ治療等で在院日数が比較的長くなることが多いです。
3番目に腰部脊柱管狭窄症で入院される患者様が多くなっています。主に自宅での生活を目標にリハビリ治療・疼痛管理・緩和治療等を中心に行っております。

　脳梗塞が主な疾患群となっています。t-PA治療を含め超急性期からの治療を行っています。リハビリテーションも早期に開始することで機能回復に努めています。また、回復期リハビリテーション施設と連携することにより、早期の自宅復帰を目指しています。

心臓血管外科では、腹部大動脈瘤の開腹手術、短期入院での下肢静脈瘤のストリッピング手術や硬化療法、透析患者さんの内シャント設置術や経皮的シャント拡張術・血栓除去術、末梢動脈疾患のバイパス手術などの手術を行っています。
透析患者さんの手術の多くは外来手術で行うことが多いため、上記の表にはあまり出ていません。
下肢静脈瘤手術は現在2泊3日入院の大伏在静脈抜去術を主体に行っています。今後、血管内焼灼術の短期入院も導入する予定です。

泌尿器科での入院は健康診断などで前立腺癌を疑われて、針生検を受けられる患者さんが最も多くなっています。基本的に1泊2日の検査入院となっています。検査結果の説明や治療方針の相談は外来で行います。手術や放射線治療といった根治療法も当院で行っています。
次いで、膀胱癌に対する経尿道的手術を行う入院です。入院期間は腫瘍の大きさや範囲によりますが、高齢の方や遠方の方も多いため術後の症状が安定するまで経過を見ています。
血液透析導入を行うための内シャント作成の為に入院される方もいます。実際に透析を開始する際には患者さんが慣れ、安心して通院できるまでは入院して導入を行っています。

耳鼻咽喉科では、耳、鼻、のど、くびの診察を行っております。入院治療、手術治療を行っており、耳に関しては中耳炎の手術、突発性難聴や顔面神経麻痺の入院治療、鼻に関しては副鼻腔炎の手術やアレルギー性鼻炎の減感作治療（免疫治療）を行っております。のどに関しては、扁桃炎を繰り返す方には扁桃を摘出する手術、声帯ポリープの手術、また咽頭癌や喉頭癌の放射線治療や抗癌剤治療も行っております。頸に関しては、顎下腺、耳下腺、甲状腺の腫瘍に対し手術で摘出する事を行っております。幼児・小児に関しては難治性の中耳炎や鼻汁に対し、内服治療・外科的治療を併用し症状の寛解に努めています。耳鼻咽喉科頭頸部外科の領域を幅広く扱っておりますので、上記に当てはまる方は当院耳鼻咽喉科を受診ください。

　内科において、最も行われている手術は、狭心症や心筋梗塞に対する経皮的冠動脈ステント留置術です。カテーテルを用いて行う心臓の血管を拡張させる治療であり、ほとんどの症例で手首の血管よりカテーテルを挿入します。よって、患者さんの負担は少なく、狭心症に対する治療では、術後２日間で退院が可能です。
心筋梗塞の患者さんにおいては、病気による心機能障害が発生するため、術後状態が安定した後に心臓リハビリテーションを行います。平均２週間程度の入院をとおして、日常生活へ戻れるようにサポートを行います。
次に放射線科と協力して、主に肝臓癌に対する治療としての選択的動脈化学塞栓術を行っております。通常の全身化学療法に比べて副作用が少なく、癌に対する効果も期待できる治療法です。患者さんによっては手術や追加のラジオ波焼灼療法が必要となる方もおり、当院外科医師や大分市の病院と連携して対応しております。
また内視鏡手術である胆道ステント留置術も多くの患者さんに行っております。これは胆管内の結石や腫瘍により、胆汁の流れが障害された際に行う処置です。胆汁の流れが障害されると急性閉塞性化膿性胆管炎という大変危険な状態に陥ることがあり、多くの患者さんの救命に寄与できている処置であります。

　当院外科の手術件数では腹腔鏡下胆嚢摘出術が最も多くなっています。胆石、胆嚢炎に対してはほぼ全例に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行しています。急性胆嚢炎症例に対しては、積極的に早期腹腔鏡下手術（4日以内）を行っており、平均術後入院日数の短縮、合併症率の減少に寄与しています。
鼠径ヘルニアには対しても積極的に腹腔鏡下術を導入しており、手術件数も増加してきています。鼠径ヘルニア手術の場合には手術当日入院が多く、入院期間の短縮に努めています。
当院では、消化器内科とともに外科でも大腸内視鏡検査を行っており、内視鏡的ポリープ切除も積極的に行っています。内視鏡的治療後は1泊入院をしていただき、安全性を確保しています。
外科では上記手術以外にも、大腸・直腸癌、胃癌、肝癌、乳癌に対しても手術を行っており、特に大腸・直腸癌に対しては積極的に腹腔鏡下手術を導入しています。

　整形外科では、大腿骨頸部骨折に対して行う骨折観血的術が最多で、こちらの手術は骨折部位の骨接合を行う手術となっております。
2番目に、大腿骨頸部骨折にて骨折観血的手術では整復・固定が困難な場合に、大腿骨の骨頭を取り出し人工骨頭(金属製人工物) に入れ替える手術療法の人工骨頭挿入術となっています。
3番目に、手根管症候群に対する手根管開放術で拇指から環指までの手のひらの痛みや、しびれ改善のための手関節での手術となっております。
当院では、地域性も含め高齢者が多く、術後日数が長くなる傾向にあります。

　脳神経外科で最も多い手術は慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術です。片麻痺、歩行障害や認知症様の症状が出現し、救急入院されることが多く、緊急手術となる場合が多くなります。局所麻酔を行い、骨に小さな穴を開け硬膜下に溜まった血腫を洗浄除去します。術後は早期に症状が改善して自宅へ退院されます。
2番目に多い手術は胃瘻造設術です。脳疾患の患者さんは、重症の場合などでは嚥下機能が低下し、肺炎などを併発しやすく、食事をとれない事も多くあります。この場合、症状、状況に応じてご家族と充分相談して行うことにしています。
3番目の手術は外傷性の急性硬膜下血腫が多く、当院では急性硬膜下血腫に対しての緊急手術も行っております。

　心臓血管外科では2泊3日の下肢静脈瘤のストリッピング手術や硬化療法、透析患者さんの1泊2日の透析シャント設置術や、経皮的シャント拡張術（風船治療）も数多く行っています。また、心臓大血管疾患の幅広い分野において患者さんに最良の医療を提供するために、大分大学附属病院心臓血管外科をはじめとする他施設とも緊密な連携をとって治療を行っており、大動脈急性解離の手術後、その他心臓大血管手術後のリハビリ入院や、手術を必要としない急性解離の患者さんの入院治療も積極的に行っています。

泌尿器科では膀胱癌に対する経尿道的手術が最も多くなっています。これは尿道から内視鏡をいれて腫瘍を電気メスで切除し、診断と治療を行う方法です。
また、当院では維持透析を行っているため、血液透析導入に必要となる内シャント造設も多くなっています。
尿路結石の治療は行っていないため、治療適応があれば尿管ステントを留置して他院へ紹介という形をとっています。
他にも前立腺癌に対する開腹での根治術、放射線治療や腎・尿路上皮癌に対する腹腔鏡手術も行っています。

　耳鼻咽喉科では、扁桃炎を繰り返す方に行う扁桃摘出手術が最も多くなっています。次に、甲状腺腫瘍に対しての腫瘍摘出手術、鼻に関しての副鼻腔炎の手術となっています。