血液内科

診療・各部門

スタッフ体制 │ 特色

スタッフ体制

部長 春山 誉実(はるやま たかみ)
医員 楢原 久美子(ならはら くみこ)

特色

血液内科は、血液疾患に対して、より専門的に対応するために設置された診療科です。
対象疾患は、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、巨赤芽球性貧血などの貧血、血小板減少症、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病などの造血器悪性疾患などの血液疾 患全般です。
出血傾向や易感染状態の患者さんが多いことから、急な病状の変化に迅速に対応できるよう努めています。
必要とされるのは、患者様を中心とした家族、医師、看護婦、検査部、薬局、放射線科、栄養課などで構成されるチーム医療です。入院外来と長期的なフォロー が必要な患者様も多く、病棟と外来スタッフが協力して家族と連携し、患者様をサポートしています。

悪性リンパ腫 成人T細胞白血病
リンパ節生検などで確定診断が得られた後に、CTスキャンやシンチグラムなどの検査を行い、進行度を確認します。化学療法、放射線療法などの治療を選択す るわけですが、主として外来治療が中心です。標準的な治療(CHOP 治療)に抵抗性の場合は、他の多剤併用化学治療を行います。13年9月に発売されたCD20抗体療法も、これまでの治療抵抗性とされていた低悪性度悪性リ ンパ腫の治療へ積極的に使用しています。西日本のとりわけ九州に多い成人T細胞白血病は、大分県においては県南地区に多い傾向にあります。

多発性骨髄腫
骨髄検査にて、確定診断を行います。悪性リンパ腫同様、進行度をチェックした後に化学療法を行います。外来での少量化学療法(MP 療法)が中心ですが、治療抵抗例や進行例には、多剤併用化学療法を行います。骨病変を伴う場合は、疼痛管理も十分に行います。

骨髄異形成症候群
骨髄検査にて、確定診断を行います。進行度により、その治療方針が変わりますが、進行例には多剤併用化学療法を行います。高齢者の患者さんが多いことか ら、輸血を中心とした対応を行うことも多いです。家族の理解と協力のもと、自宅からの外来通院治療を行っています。

慢性骨髄性白血病
従来はインターフェロン療法が行われていましたが、本邦においても13年12月にチロシンキナーゼ阻害剤が登場し、広く使用されています。当院におきまし ても、移植治療の不可能な高齢者に対しても投与でき、その高い有効性と安全性が確認できています。

急性白血病
骨髄検査にて、確定診断を行います。多剤併用化学療法を繰り返し行いながら、治療していきます。輸血や感染予防が重要です。

特発性血小板減少性紫斑病
骨髄検査にて、確定診断を行います。まずステロイド療法、無効例では摘脾術を行うというのが主流です。しかし、難治例においてピロリ菌の除菌を行ったとこ ろ、血小板数の回復した例が比較的多く認められています。当院消化器内科チームと協力して新たなアプローチを行っています。

再生不良性貧血
骨髄検査やシンチグラム、MRI等の画像検査にて確定診断を行います。中等症以上の症例に対しては、全身状態が許す限り、ATGやシクロスポリンなどの免 疫治療を行っています。

鉄欠乏性貧血
血液検査、生化学検査にて診断します。原疾患としては、消化管出血が多く消化器内科チーム、外来チームに対応をお願いすることも少なくありません。女性で は、婦人科疾患の合併もあり、同様に婦人科チームにお願いしています。

その他の疾患
真性多血症や本能性血小板血症、骨髄繊維症などの骨髄増殖性疾患、自己免疫性溶血性貧血や溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少紫斑病などの溶血性貧血、 巨赤芽球性貧血など。
<検査>骨髄検査 午前11時